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循環器だより

心房細動と脳梗塞

心房細動と脳梗塞

 

先日、サンドウィッチマンの「伊達みきおさん(51歳)」が脳梗塞を発症し、現在入院治療中との報道がありました。51歳という働き盛りの年齢では、体調が思わしくなくても疲れていても、なかなか仕事を休めなかったり病院へ行く時間がなかったりと、自身の身体を気遣う事も難しいかもしれません。仕事的にも責任を任されストレスが多く多忙な日々を送っている方が多い年代だと思います。知らず知らずのうちに無理をして身体のサインを見逃してしまうと、心臓や脳の疾患の場合、救急搬送されるような重篤な事態に陥る危険も高まります。

伊達みきおさんは生活習慣病をお持ちで、以前から高血圧症の持病があったとの事です。また、喫煙習慣もあるそうですので、複数の危険因子をお持ちだったことが報道されています。危険因子をお持ちの方はもとより、危険因子をお持ちではなくとも血縁に脳疾患や心臓疾患の方がいらっしゃる方は日頃の健康管理に気をつけていただきたいのです。

 

身体のサインで気をつけていただきたいのは「不整脈」や「動悸」などの「心房細動」と思われる症状が表れた場合です。心臓のリズムが乱れて血液がうまく流れず血液が心臓内に停滞してしまう状態が「心房細動」です。こういった心臓の症状は高齢者の方が多いと思われていますが、30~50歳代の働き盛りの方でも珍しくはありません。疲れた時や睡眠不足の時、ストレスがたまった時にそういった症状が表れてもほとんどの場合すぐに治まり、発症の回数が増えても「またか」と軽視し、忙しいからと放置してしまう方が大半です。

ところが「心房細動」を放置していると徐々に発症の回数が増えて慢性化していく可能性があります。

心房細動が起こると血液が心臓内で停滞するため、血液凝固因子が活性化され血栓ができる危険性が高くなります。その血栓が心臓の血管で詰まったり流れが悪くなることが原因で狭心症や心筋梗塞を引き起こす場合があります。

また、血液の流れに乗って脳へと移動し脳の血管が詰まって血液が止まり脳梗塞が発症する場合もあります。これを「心原性脳梗塞」と呼びます。脳梗塞の15~20%がこの心原性脳梗塞と言われています。心原性脳梗塞は前触れなく突然発症し梗塞の範囲が広いのが特徴です。明らかな麻痺や意識障害を起こしやすく再発の可能性も高いため、命にかかわる危険な脳梗塞です。

 

以上のように血管障害による影響は心臓と脳と両方で発生します。脳に異常があった場合は心臓の検査は必須ですし、逆に心臓に障害があった場合は脳の精査も必要になってきます。

 

「ドキドキする」「息苦しい」「息切れ」や「胸痛」などの症状が起きたら、症状が治まっても軽く考えず循環器内科での早めの検査をお勧めします。命にかかわる大変な事態に陥らないよう、「転ばぬ先の杖」が大切です。

 

上記のような症状が現れない場合も40代以降の方は定期的に人間ドックで身体のチェックをして未病の予防・対策をすることが大切です。

 

「未病」とは、自覚症状はないが検査で異常がある、または自覚症状はあるが検査では異常が出ない状態を言います。「隠れ心房細動」や「隠れ脳梗塞」を発見できるのも人間ドックでこそです。誕生日や記念日などに定期的に人間ドックを受けて身体のメンテナンスを行う、という習慣をつくられてはいかがですか。

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