高血圧症について
高血圧症について
高血圧症とは、血管の中を流れる血液の圧力が強くなり続けている状態です。
進行すると血管壁の弾力性やしなやかさが失われ、また血管壁に傷が生じて、その傷にLDLコレステロールなどが沈着すると動脈硬化が促進されます。そのままにしておくと脳卒中や心臓病、腎臓病など重大な病気になることがあります。
※高血圧を予防するには生活習慣の見直しが必要
高血圧症の95%は原因を特定できない本態性高血圧であり、その背景には遺伝的体質に塩分の過剰摂取・肥満・飲酒・その他の生活習慣要因などが複合的に重なっていると考えられます。
そのため、高血圧は「生活習慣病」とも呼ばれています。
高血圧を予防するためには生活習慣の改善が大切であり、高血圧を発症した場合には、さらなる生活習慣の改善が必要となります。
- 塩分・食事について
食生活の中では特に塩分が重要で、塩分の摂取量が高いと血圧が上昇します。塩分を減らすと血圧が下がるのは明らかなため、高血圧のガイドラインでは1日6グラム未満が推奨されています。
薄味にして、醤油・ソースなどの調味料は極力控えることです。漬物をたくさん食べる習慣のある人や、ラーメンなどの麺類の汁を全部飲んでしまうと、それだけで10グラム近い塩分を摂ってしまいます。
一方で野菜をたくさん食べてカリウムを摂取すると、塩分が排泄されやすくなります。ほうれん草やバナナ、納豆、ひじきなど、積極的にカリウムを摂る食事を心がけましょう。但し、全体のカロリー摂取がオーバーにならないように気をつけ、また腎臓の悪い人はカリウムの摂りすぎ注意しましょう。
また血管を丈夫にするために、たんぱく質・カルシウムを積極的に摂取することも大切です。
- 肥満について
肥満の人は高血圧だけでなく、高脂血症や糖尿病などの頻度も高く、心血管病、特に狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患を起こす割合が高いことがわかっています。
若年~中年の男性を中心に肥満、特に内臓肥満を伴う高血圧が増えています。
このような高血圧では、まず最小血圧が高くなりやすく、次第に最大血圧も高くなってきます。このような人では、やがて血清脂質や血糖・尿酸・肝機能にも異常を来し、メタボリックシンドロームに進行していきます。
やせると血圧が下がることは明らかにされており、太っている人は身体を動かし運動量を増やしたり、食事の摂取カロリーを減らしたりして、減量することが必要です。
- 運動について
運動をすると、体内のホルモンや血液の量、交感神経系の働きなどが血圧を下げるように変化します。
高血圧対策として好ましい運動は、散歩やジョギング、サイクリング、水泳、テニス、ラジオ体操など、有酸素運動と呼ばれるものです。たとえば1日30分の早歩きを3ヵ月ほど継続すると血圧低下の効果が現れてきます。重量あげのような筋力トレーニングや短距離走のような無酸素運動はあまり適しません。
駅の階段の上がり下りや家の中の掃除など、日常生活のいろいろな場面で意識的に運動を取り入れる工夫をしてみましょう。
- お酒について
お酒をたくさん飲む人には高血圧が多く、また血圧がなかなか下がりにくいことが分かっています。アルコールは一時的には血圧を下げますが、習慣的な飲酒は血圧を上げます。ビール中びん1本、ワイングラス2杯弱、日本酒1号、ウイスキー・ブランデーダブル1杯程度が適量の飲酒の目安です。
- たばこについて
タバコは交感神経を興奮させるため、タバコを吸うと一過性に血圧が上がります。それだけではなく、タバコは脳卒中や狭心症、心筋梗塞発症の最大の危険因子であることがはっきりしています。喫煙者は禁煙することが望ましいです。
- ストレスについて
「ストレス」とは、心理的重圧や精神的動揺、過度の肉体的負担などのことです。急性のストレスが血圧を上げることは古くから知られています。慢性的なストレスの方が高血圧との関係が深く、真面目な完璧主義者では高血圧の人が多いと言われています。日常生活を工夫し、気持ちの切り換え方を取得するなど、「ストレス」を上手に解消することが大切です。毎日規則正しい生活を送り休養を十分にとり、疲れを残さないようにしましょう。
高血圧は自覚症状がほとんどなく自分では気づかないので、毎年健診を受けることが極めて重要です。健診で行う心電図や眼底検査では、高血圧による長期の影響がわかることがありますので、これらの検査を受けることも有用です。
また、家庭血圧計を購入し、自宅で毎朝測ることもお勧めします。
当院では高血圧外来を行っています。気になる方は一度ご受診いただき専門医にご相談されることをお勧めします。
次回の循環器だよりでは、高血圧症が進行した場合のリスクについてお伝えします。
