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循環器だより

動悸について(NO.2)

動悸について(NO.2)

新年度を迎え、新しい生活をスタートさせる方も多くおられると思います。環境の変化により生活リズムが変わる・ストレスが増える、など体調に影響を及ぼす要因も増える時期でもあります。

「心臓がバクバクする」「時々ドキッとする」などの不快感を覚えて受診される方も多くおられます。

常日頃は、心臓の存在は特に気にせず、心臓が動いていること(拍動)を感じながら生活されることはあまりないのではないでしょうか。上記のような症状を「動悸」と呼ぶのですが、
こういった症状を感じると、改めて心臓の存在を認識するのではないでしょうか。

「動悸」には多くの要因があります。心機能の疾患、他の疾患が影響するもの、精神的な疾患などがあります。

動悸そのものは心臓由来の症状なので、心臓の病気が原因であることが多いです。
心臓が原因で起きる動悸には、虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症など)・心臓弁膜症・不整脈などがあります。これらの病状は過去の循環器だよりでもお伝えしておりますので、今回は心臓以外が原因で起きる「動悸」を伴う病気についてご説明いたします。

心疾患以外で動悸が起こる疾病としては「甲状腺機能亢進症」や「貧血」「高血圧」「低血圧」また、「更年期障害」や「精神疾患」などが挙げられます。

・甲状腺機能亢進症
代謝の活性化や成長の促進などにかかわる甲状腺ホルモンが過剰に作られるため身体の活動が活発になります。そのため体重減少や高血圧、心房細動、発汗、手の震え、イライラするなどの精神症状、頻脈と呼ばれる脈の速い症状などが見られます。動悸は、心房細動や頻脈によって起こります。

・貧血
貧血が進行すると体内が酸素不足になり、それをカバーするために心臓が血液をもっと多く送ろうとして動悸や息切れが起こります。

・高血圧
高血圧になると心臓は強い力で全身に血液を送らなければならず、心臓の壁が分厚くなり肥大化します。心臓が肥大化すると血液を全身に送っているポンプの機能が低下してしまい、心臓に負担がかかります。それにより不整脈が出て動悸がすることがあります。

・低血圧
血圧が低くなりすぎると全身に十分な血液が供給されなくなり、血行不良のため神経の反射などが起こり、心臓が異常に働くため動悸が起こります。

・更年期障害
更年期の動悸の原因は、閉経による女性ホルモンが減少するためと言われています。女性ホルモンが減少することで自律神経が乱れて動悸が起こりやすくなります。自律神経とは内臓の働きやホルモンの分泌、心拍・血圧もコントロールする器官です。自律神経が乱れると、心拍や血圧の調節がうまくいかなくなり、心臓が異常にドキドキする症状が現れやすくなります。

・精神疾患
不安障害・パニック障害・うつ病・強迫性障害など、心の病気で生じる症状の中に動悸や息苦しさの症状を訴える方がおられます。

上記以外にも、カフェインやアルコールを多く摂取したりタバコの吸いすぎでも動悸が起こることがあります。精神的ストレスから頻脈になったり血圧が上昇して動悸を感じることもあります。

「動悸」は様々な原因で生じる症状です。動悸が生じた際には循環器内科専門医にご相談されることをお勧めします。

最近は若い世代の方も「動悸」や「胸痛」を訴えられて受診される方が増えています。
会社で毎年健診を受けられて、実施している心電図検査では何も問題がないから大丈夫と言われる方も多いのですが、心電図には現れにくい疾病もあり、「動悸」や「胸痛」の症状があっても時間が経てば治まるから大丈夫と放置していると命にかかわる重篤な状態に陥ってしまうケースもあります。

動悸とともに、下記のような自覚症状がある場合は心臓疾患の可能性が高まります。
① 階段の昇降がつらくなってきた
② 夜寝ていて息苦しくなって目が覚める
③ 横になると息苦しくて、起き上がると少し楽になる
④ 足や顔のむくみが強くなってきた
⑤ 身体がだるく、疲れやすい
⑥ 夜になると咳が出る
⑦ 前かがみになると呼吸が苦しくなる

診察やドックをご希望される方は神戸循環器クリニックのホームページからのお申し込み頂くか、お電話でお問い合わせ下さい。

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