睡眠時無呼吸症候群と循環器疾患について
睡眠時無呼吸症候群と循環器疾患について
睡眠時無呼吸症候群は近年、TV等の情報番組でもよく取り上げられて気になっておられる方も多いと思います。しかしながら、自分では気づきにくいため検査や治療を受けていない人も多いようです。睡眠時無呼吸症候群の患者は日本でおよそ300万人と推計されています。
睡眠時無呼吸症候群は睡眠中に無呼吸が繰り返されることにより様々な症状を生じる病気です。
無呼吸のため、脳が慢性的な熟睡不足となります。また、いびきをかいたり、日中に眠気が生じて仕事の効率低下や居眠り運転の危険が高まるなど、様々な支障がおきて日常生活に影響を及ぼします。
治療せずに放置していると心臓や血管の病気のリスクが高くなり、寿命を短くする恐れがある怖い病気です。
逆に、高血圧症、心不全、不整脈などの循環器系疾患の方は非常に高い頻度で睡眠時無呼吸症候群を合併していることもわかっています。
日中の眠気やいびきぐらいと軽く思って治療を怠り重症の睡眠時無呼吸症候群を10年間放置していた場合、10人中4人が亡くなっていたという報告もされています。
睡眠時無呼吸症候群と合併しやすい生活習慣病のリスクは非常に高く、高血圧は約2倍、糖尿病は約1.5倍、心疾患は約3倍、脳血管障害は約4倍と言われています。
特に高血圧の方は要注意です。日本人の高血圧の方は推定約4,000万人ですが、うち10%の方は睡眠時無呼吸症候群を合併されています。また、睡眠時無呼吸症候群は降圧薬がうまく効かない2次性高血圧の原因にもなります。高血圧の方で大きないびきをかく、日中の眠気が強い、夜間の頻尿、起床時に頭が重い、などを感じる方には検査をお勧めします。
生活習慣病、循環器疾患の予防や治療は非常に大切です。睡眠時無呼吸症候群の治療により循環器の病気が好転される方もおられます。気になる症状があれば早めのご受診をお勧めします。
チェックシートでご自身の睡眠を確認してみて下さい。
睡眠自己チェック
下記のような状況でうとうとしたり眠り込んだりしてしまうことがどれぐらいありますか?最近の生活を振り返って感じたままにお答えください。質問の中に、日頃意識しない項目があっても、そうなった場合にどうなるかを考えてお答えください。
それぞれの状況について、次の中で最も当てはまる番号を選んでください。
0=居眠りすることはない
1=たまに居眠りしてしまう
2=ときどき居眠りしてしまう
3=居眠りしてしまうことが多い
状況居眠りの頻度
□ 座って読書しているとき
□ テレビを見ているとき
□ 公の場で座って何もしないとき(観劇や会議など)
□ 1時間続けて車に乗せてもらっているとき
□ 状況が許す場合で、午後に横になって休息するとき
□ 座って人と話しているとき
□ アルコールを飲まずに昼食をとった後、静かに座っているとき
□ 車を運転中、交通渋滞で2~3分停止しているとき
合計 点
点数の結果
1~4点 十分な睡眠がとれています
5~10点 平均的な点数です
11点以上 眠気が強く、医師の診察を受けた方がよいでしょう
当院では睡眠時無呼吸症候群の検査、治療を行っています。
健康保険の対象ですので、保険証をご持参ください。
通常の診察時間にご予約下さい。