腹部エコーについて
腹部エコーについて
他の部位のエコー検査に比べドックの項目にも入っていることが多く、受けたことがある方が多い検査です。
腹部エコーでは、上腹部の肝臓・胆嚢・腎臓・膵臓・脾臓と下腹部の膀胱・前立腺・子宮などを観察しています。
腹部エコー検査当日に①「空腹」 ②「尿を溜める」をお願いすることがあります。その理由として
① 空腹(緊急検査は除く)
胆嚢を詳しく観察するためです。胆嚢は食事中の脂質を消化する成分を含んだ胆汁を溜めておく臓器です。食後、胆汁が使われて胆嚢は収縮してしまうので、内部の石やポリープなどが見つけにくくなります。
また、脂肪分を含んだ飲料(牛乳・コーヒーフレッシュ・ミルクティーなど)を飲んだ後も同様に収縮してしまうので検査前はお水・お茶以外の飲食はしないでください。
② 膀胱に尿を溜める
膀胱に尿を溜めることで、膀胱が広がり壁や内部の状態などが観察できます。また、水分は超音波をよく透すので、膀胱の奥の臓器(前立腺・子宮など)の観察もしやすくなります。
検査は腹部にゼリーをつけ観察部位に機械をあてます。開始後、何度か大きく息を吸った後息止めをお願いします。息を吸うことによって肺に空気を溜めて横隔膜を下げると、上腹部の臓器が下りてくるので観察しやすなります。また、検査中に横向きになってもらうことがあります。これは腹部の臓器が重力によってやや移動するので、条件を変えて多方面から観察するためです。胆石があれば重力によって移動するので、仰向きや横向き等で位置が変われば確定できます。
腹部エコーでは体に負担をかけることなく腹部臓器を観察できます。「気になる症状がある」「健診で異常を指摘された」等があれば外来でご相談ください。